作業療法の様子をガラス窓 ごしに眺める テーブルについた四人の患者は、それぞれ異なった課題 に取り組んでいる。輪投げのポールに輪っかを通したり 外したりしている人。ジグソーパズルのピースをせっせ とはめ込んでいる人。短冊のような紙片をあれこれ並ベ 変えている人。 そして、きょうのユキコさんは… まず、鏡を前に置いて髪をとかすよう促されたが、櫛を 持った右手は空中で止まったまま。療法士さんが手を添 えてやらせようとするんだけど、視線はあらぬ方向へ。 次はおしぼり作り。タオルを細長く畳んでくるくると巻 く作業。これも、手が自由に動かないという事実以前に、 何をするのかってことが理解できてない。 気がついたら、ユキコさん車椅子の上で船こいじゃって るし〜。 見ている私は「幼稚園の参観日の母親」状態。ユキコさ ん、だめよ眠っちゃ。先生の言うことをちゃんと聞くの よ。他の人は真面目にやってるんだから〜。じれったい なあ、もう。 障害の程度は千差万別、他の人と較べるなんて無意味な んですけどね。
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