the world is not enough


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memo アール・ブリュット  ..t      返信
 
  媒介項としてのアール・ブリュット、そしてコミュニティデザイン

保坂 | アール・ブリュットの作家は、ほとんどのケースにおいて、他者との交流という抽象的な意味でも、遠方へ出るという具体的な意味でも、自分の世界からあまり出ません。あるいは、出られません。それを支えている人たちも作り手の周囲にいる人たちなので基本的にはとてもローカルな環境です。ですが、それがアートという文脈が持っているワールドワイドなネットワークに入り込んでいくと、急に世界とつながるさまがとてもおもしろい。
山崎 | グローバルなプロセスですと、《NO-MA》が滋賀県内で有名になり、日本、アジア、そして世界的に認められ、ようやくヨーロッパへ行き着くという手順を踏むわけですが、そうではなくローカル同士の提案が(直接)結びつくことで世界へと出て行くことができる。
..2015/01/04(日) 14:00  No.3637
Re:memo アール・ブリュット  ..t     
 
  保坂 | 最近気になっている「インスティテューション(Institution)」という言葉があります。主に「制度」「組織」という2つの意味を持っていますが、原義は上が決めたものではなく人々の経験や習慣がかたちになったもの、下からの気づきによる制度のことをいうそうです。対極にあるのが「コンスティテューション(Constitution)」で「憲法」や「協約」を意味しますが、こちらは皆が守るべきもの、上から与えられるもの、一度決めたらそう簡単には変えられない制度です。インスティテューションの第二の意味である「組織」は、人々の経験や習慣がかたちになり、形骸化したものとして捉えられます。
美術館の多くは、「形骸化した組織」としてのインスティテューションになりつつあります。一部の美術ファンのために運営されていて、身近な経験や習慣とは結びつかない存在になってしまっているのです。しかし、特に地方ではインスティテューションである公立の美術館が不便な郊外に建っている一方で、まちなかにアートスペースやアートイベントが増えていて、アートとの関わり方が再編成されつつあります。もちろん、美術館の立地の問題は、美術館に帰せられるべきではなくて、行政サイドに問わなければなりませんが、ともあれ、そうした動きに既存の美術館はどのように関わっていけるのかを念頭におくことで、美術館を持続的に再編成し続ける仕組みを考えることができるよいタイミングだと考えています。そのためにも、「形骸化した組織」としてのインスティテューションから「気づきによる制度」としてのインスティテューションにもう一度立ち返らなければならない。
..2015/01/04(日) 14:12  No.3638





  




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