第３回”弦楽器フェアで人気投票Ｎｏ１になり。表彰された南さん。マエストロとして自信を付けた。会場で２０５票の有効投票から、１０・６％の支持を受けた。大分友人知人を動員した甲斐あって？見事１位となった。 
今後のマエストロとして随分ハクになったはずである。 
早速２台目の“ミラノロ”制作に力を入れる。さらに、ヴィオラ、チェロ、コントラバスと進むと本物の弦楽器作家となる。

ぞのさん、パーフリングでえらく時間がかかっている。そう、これは一番力を入れなければならない所である。 
特にＣ字との接点が美しく入らないといけない。コンクールでは美的ポイントの第一である。したがってこの接点をきれいに仕上げるため１ケ月を要しているぞのさんです。

“氏”は鎌倉彫を趣味でやっていたと言う。 
したがって、刃物、特に彫刻刀には慣れているようだ、さらに材質の純目、逆目は解っている。 
この弦楽器制作には絶対必要は知識である。ＭＥＳＳＩＡのパターンから、ブロックの成型をする。最初の難関バーチカル。これが基本となってヴァイオリンの土台が完成する。

氏は大病院の営繕を長くやっているとのこと、木工作業がほとんだだと言う。したがってボール盤、昇降盤、バンドソー、すべて経験済という。 
ノギスの使い方など的を射ている。 
頼もしい弦楽器制作者に成長する予感がある。早速ミラノロのポスターからトレースして、版型を創る。実に見事に作り上げた。来週はその型を基本にモールド作りに入る。

三田さん、もともと丁寧な性格の持ち主、２台目とあってさらに慎重に制作している。パーフリングの溝掘りでハタときずく、やはりモールドから外さないと仕事がしずらい？そこでスチームを使って慎重に外す。気をつけなければならないのは、ほかの部分に影響することである。うまく外したがやはりモールドに影響があったが、そこは慣れたもの修復して事なきを得た。さあここからがヴァイオリンの真ずい、ポツ単位のアーチ決めに入る。

氏、基本のブロック創りのため型板からポツ単位でトレースする。 
鑿と、やすりで絶対バーチカルを創る。割と簡単に作り上げた！なかなかの才能である。かくしてＣ字コーナーのブロック出来上がり。いよいよ側板の削り、曲げとだんだん難しさが増してくる。

鎌倉弦楽器制作者協会の１位賞を取って意気揚々の南さん。 
もう慣れたもの、２台目のミラノロに挑戦中。ＮＯ−１マエストロの称号を獲得し、自信満々の氏である。天板のガイド・ホール、ネックのあら取りから、早くもペグ・ボックスの掘りに入る。素晴らしいスピードである。

美しく仕上がったパーフリング、いよいよここからが天板の糸柾を生かす削りに入る。１Ｌ，２Ｌ，３Ｌと高さを正確にトレース。 
まず聴衆の目に入る表板，ここはポツ単位を正確さが要求されるところである。特にニスを塗った後のアンジュレーションを想像しながら削る。美しいＣＥＬＬＯ作りの最大のポイントである。

今年も恒例の講評忘年会が鎌倉小町通りの名店”楠の木”で始まった。例によって南さんのワインの品評から幕を開けた。 
講評会は弦楽器制作者にとって事欠かせない会なのである。 
青山シンフォニーの元コンサート・マスター吉野君の弾き比べである。 
今回は覆面にしなかったので明らかに自作のＶＮであると解るがほとんど同じハイレベルの講評であった。さすが１位の南作品にわずかの称賛が上がった。

酔いにつれ、宴もたけなわ、みんな弾き出した。 
とても素人の第１作とは思えない出来栄えのヴァイオリンがそろった。 
音質、バランス、レスポンス３拍子揃った作品の勢ぞろい。小生も師匠冥利に尽きた忘年講評会であった。