「家族の日」というイベントが 開かれた。患者と家族が一緒に ミニ・コンサートを鑑賞。 いつもは人っ子一人いない応接ロビー。何故こんな豪華な スペースが無駄に遊んでるんだろうと思っていたけど、こ ういうイベントに使うための場所だったのね。 ユキコさんは、プログラムをもっともらしく眺め、ステー ジの歌声に耳を澄ませ、動く人影を目で追い、心なしか生 き生きとした表情を見せてくれた。 会場には、ユキコさんより状態の重い患者さんが移動寝台 で運ばれて来ていたり、わずか1時間が保たずに途中で退 席する患者さんがいたりしたけど、とっても良い雰囲気の 素敵なコンサートだった。 ユキコさん、少しでも話が出来たらいいのにねぇ。「どう でした? きれいな歌声でしたね」と尋ねてみたんだけど いつも通りのノーリアクション、ノーアンサーなんだもの。 ただ、いつもより目がパッチリしてたかもしれません。そ れがユキコさんなりの頑張りだったかもね。
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